金地金を購入しようとして、価格表を見て首をかしげた経験はないでしょうか。同じ日の同じ時間でも、1gあたりの価格が、サイズによって微妙に違うのです。これが「小分け手数料」と呼ばれるものの正体です。
金地金は小さくなればなるほど、製造コストが割高になります。考えてみれば当然のことで、100gの金地金を1本作るのと、1gの金地金を100本作るのでは、後者の方がはるかに手間がかかります。刻印を押す作業、品質検査、個別の包装、これらすべてが100回必要になるのですから。
この製造コストの違いが、そのまま販売価格に反映されます。たとえば、ある日の金価格が1グラム1万円だとしましょう。100gの金地金なら100万円で購入できますが、1gの金地金を100個買おうとすると、合計で105万円から110万円程度になってしまうのです。この5万円から10万円の差額が、小分け手数料というわけです。
具体的な数字を見てみましょう。一般的な貴金属商の場合、100g以上の金地金には小分け手数料がかからないことが多いです。50gでは1gあたり数十円から100円程度、10gでは100円から200円程度、5g以下になると200円以上の手数料がかかることもあります。
では、小分け手数料を避けるために、最初から大きなサイズを買うべきでしょうか。答えは必ずしもそうとは限りません。投資は余裕資金で行うのが鉄則です。無理をして大きなサイズを買うより、小分け手数料を払ってでも、自分に合ったサイズから始める方が賢明です。
また、売却時のことも考えておく必要があります。100gの金地金を持っていても、急に30万円だけ現金が必要になったとき、100g全部を売却するしかありません。一方、10gの金地金を10個持っていれば、必要な分だけを売却できる柔軟性があります。小分け手数料は、この柔軟性を買うためのコストと考えることもできるのです。
賢い購入方法としては、最初は10g程度のサイズで金投資を始め、慣れてきたら徐々に大きなサイズに移行していくというアプローチがお勧めです。小分け手数料を過度に恐れず、自分の投資計画に合ったサイズを選ぶことが、長期的な成功につながります。