金地金の世界には、「グッドデリバリーバー」という国際的なお太鼓付きがあります。これはただのブランド名ではありません。世界中の貴金属市場で共通して使われる、金地金の品質を保証する国際基準なのです。
グッドデリバリーバーとは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)が定める国際基準を満たした金地金のことです。この基準を満たした金地金は、東京でもニューヨークでもロンドンでも、同じ基準で取引されるのです。
具体的な基準を見ていきましょう。まず重量ですが、約12.5kg(400トロイオンス)前後の大型インゴットが基本となります。これは一般的なペットボトルの水3本分ほどの重さで、イメージするだけでもその大きさがわかるでしょう。
純度に関しては、金の純度が995以上(99.5%以上)であることが求められます。個人向けの金地金ではよく999.9(フォーナイン)という純度を見かけますが、グッドデリバリーバーの基準はこれよりもわずかに緊い設定になっています。これは、大量取引において実用性を考慮した結果です。
さらに重要なのが、LBMAに認定された製錬業者によって製造されたものである必要があるという点です。日本の田中貴金属工業、スイスのPAMP社、カナダのロイヤル・カナディアン・ミントなどが、世界的に認められたグッドデリバリーバー製造業者として知られています。
では、個人投資家にとってグッドデリバリーバーはどんな意味を持つのでしょうか。直接12.5kgの大型インゴットを購入する個人はほとんどいませんが、個人向けの小型金地金も、グッドデリバリーバーを製造する業者が作っていることが多く、その信頼性の指標となります。つまり、グッドデリバリー認定業者が製造した小型の金地金を購入することで、間接的にその品質保証を受けられるというわけです。
グッドデリバリーバーは、世界中の市場で流通が保証されています。これは、どこで買っても、どこで売っても、その価値が認められるということです。金地金投資の世界における「パスポート」のような存在と言えるかもしれません。