金価格を動かす要因

2024-01-17
#金投資 #価格 #市場動向
金価格を動かす要因

金価格は日々変動していますが、その動きには明確な理由があります。市場を動かす主な要因を理解することで、ニュースの背景が見えてくるようになります。ここでは、金価格に影響を与える主要な要素について詳しく見ていきましょう。

まず最も基本的な要因は、ドル相場です。金は国際市場においてドル建てで取引されるため、ドルの価値と密接に関係しています。一般的に、ドル安になると金価格は上昇しやすくなります。逆にドル高になると、ドルで金を買う際のコストが上がるため、金価格は下落しやすい傾向があります。

次に重要なのが金利です。金という資産は、預金や債券と異なり、保有していても利子を生みません。そのため、金利が上昇すると、利息を生まない金の魅力が相対的に低下し、価格が下がりやすくなります。逆に、低金利環境下では金の保有コスト(機会損失)が低くなるため、価格は上昇しやすくなります。

インフレ率も大きな要因です。物価が継続的に上昇するインフレ局面では、通貨の実質的な価値が目減りします。金は「実物資産」であるため、通貨の価値が下がってもそのもの自体の価値は失われません。インフレ懸念が高まると、資産防衛の手段として金が買われ、価格が上昇します。つまり、金はインフレヘッジとしての役割を果たしているのです。

また、地政学リスクも見逃せません。戦争、紛争、政治的な不安定さなどが高まると、投資家はリスクを回避しようとして、「有事の金」と呼ばれる安全資産である金に資金を移す傾向があります。世界情勢が不安定になると、金の需要が増加し、価格が上昇します。

さらに、中央銀行の動向も市場に影響を与えます。世界各国の中央銀行は、外貨準備の一環として金を保有しています。中央銀行が金を買い増すと、市場での需要が増加し、価格を押し上げる要因となります。近年では、新興国の中央銀行による金購入が増加しており、これが金価格の下支え要因の一つとなっています。

最後に、株式市場との関係です。一般的に、株価が下落して市場心理が悪化すると、リスク回避の動きから金が買われる傾向があります。しかし、必ずしも逆相関になるわけではなく、時には株と金が同時に売られる(換金売り)こともあります。

需給バランスも長期的には価格の基調を決定します。需要側には宝飾品、工業用、投資用などがあり、供給側には鉱山生産やリサイクルがあります。長期的には需給バランスが価格の基調を決定します。

これらの要因は単独で動くのではなく、互いに複雑に絡み合いながら毎日の金価格を形成しています。これらを総合的に判断することで、金価格の方向性をある程度予測し、適切な投資タイミングを見極めることができます。

金藤 明子
金藤 明子
資産運用アドバイザー。20年以上にわたり貴金属市場を見つめ、個人投資家から機関投資家まで幅広くコンサルティングを行う。CFP認定者。