投資を考えるとき、多くの人がまず思い浮かべるのは株式や不動産でしょう。しかし、金投資にはこれらの伝統的な投資対象とは異なる、独特のメリットがあります。今日はその主要な利点を、具体例を交えながら見ていきましょう。
まず最も大きなメリットは、世界中どこでも価値が認められる普遍性です。日本の不動産は日本でしか売れませんし、日本株は日本の証券取引所でしか取引できません。しかし、金は違います。東京で購入した金地金をロンドンで売ることも、ニューヨークで購入した金貨をドバイで売ることも、理論上は可能なのです。これは、国境を超えた資産としての大きな強みと言えるでしょう。
次に、インフレーションへの対応力です。現在、世界的に物価上昇が進んでいますが、金は歴史的にインフレに強い資産として知られています。これは、金の総量が自然界において限られているためです。中央銀行が紙幣を印刷して通貨量を増やすことはできても、金の総量を人工的に増やすことは不可能です。この希少性が、金の価値を維持する原動力となっています。
さらに、株式や債券との相関性の低さも、金投資の大きな魅力です。通常、株式市場が下落するとき、金価格は上昇する傾向があります。これは「リスクオフ」と呼ばれる現象で、投資家がリスクの高い資産から安全な資産へと資金を移す際に起こります。金をポートフォリオに含めることで、全体的なリスクを分散できるわけです。
保管の容易さという実務的なメリットも見逃せません。不動産は物理的な管理が必要で、貸し出せば入居者とのやり取りが発生します。株式は市場の監視が必要で、企業の業績を追い続ける必要があります。一方、金地金は自宅の金庫や銀行の貸金庫に保管しておくだけで、特別な管理は不要です。手間がかからないというのは、忙しい現代人にとって大きな利点です。
最後に、心理的な安心感を忘れてはいけません。実物資産として手元にある金地金は、デジタルの数字でしかない株式や預金とは異なり、目に見え、手に取れる安心感があります。金融システムが停止しても、インターネットが使えなくなっても、金はそこに存在し続けます。この物理的な存在感が、多くの投資家に心の平安をもたらしています。